書道

新弟子か、編入か。私が新弟子から始めることをオススメしたい理由。

新弟子で入門すると(こう書くと相撲部屋のようですが)、だいたい7級あたりからのスタートになると思います。最初の数回は、子どもの頃と同じく「一、二、三・・・」と十までひたすら半紙に書いて終わることもあるでしょう。私はそうでした。

昔の段位を置いてくるメリット

なつかしのお手本再び

超基本の練習で懐かしさしか感じないかと思いきや、これがまさに発見の連続なのです。子どもの頃にぼーっと聞いていた先生の指導が、大人になって理解できるようになったということなのでしょうか。「はぅ!そういう筆遣いだったんですか!」なんてハッとする体験があるんです。

無意識にやっていた自分の筆遣いに、いかに癖があるかを自覚できます。(私の場合は始筆のあと急に筆を浮かせてしまうため、線の下が“足のかかと”のように不自然にへこむことが発覚。)

なので、「子どものころ十段でした!」などの過去の栄光とプライドは仏壇にでも大事にしまっておいて、文字通り1から教わるのもいいものです。級位は実力相当位まではガンガン上がるので大丈夫です(各会の規定によるけど)。むしろ編入して5合目から登り始めるより楽しいし、基本が身につき上達するかもしれません。

段位になると、やることがどんどん増える

先生や会の方針によりますが、一般的に昇級・昇段していくに従い、提出する課題が増えていきます。
私の場合の例を挙げます。級位のあいだは、

  • 楷書(半紙)
  • 行書(半紙)

の2つの課題だけを毎月提出します。しかし、段位(準初段以上)になるとこれが

  • 楷書(臨書・半紙)
  • 草書(臨書・半紙)
  • かな(半紙)
  • 条幅(臨書・条幅という大きいサイズ)
  • 細楷(臨書・半紙)

となり、課題が一気に増えます。(ガッツがあれば級位のうちから提出もできますが。)
もちろん、毎月必ずしも全課題を出さなくてもよいのですが、いずれこれらを学ぶことになるわけです。

ブランクがある場合や初めて書道を習う場合、入門して早々にこんなに課題があるとペースがつかみにくいですし、精神的なハードルが高くなってしまう可能性があります。

書道は年齢制限なく続けられる習い事です。私の通う教室には90歳を越えても元気に通ってらっしゃる方がいます。最初に焦って飛ばして挫折してしまうより、1から始めて継続させるほうが、結果的には昇段の近道につながるかもしれないです。

なんて、良い子な発言をしてますが、本音はそりゃ早く師範になりたいですけどね!ともあれ、1から始めて正解だったなと思っています。