内容は秀逸!しかし致命的読みづらさ。「日本の地理・歴史の知識と英語を身につける」は通訳案内士試験対策の良書なるか。

2015年度通訳案内士試験の対策を始めるにあたり、自宅の本棚の参考書をあらためていたところ、「これは!」という本を発掘しました。

その名も、「日本の地理・歴史の知識と英語を身につける」。この本を購入したのは、初めて受験した2010年のこと(たぶん)。ところが、存在を忘れていたくらい全く使用していませんでした。

どんな本だったっけ?と、パラパラ見たところ・・・ここ数年で出題された内容が驚くほど網羅されているではないの!優れた本を自宅で発見したことでしばし興奮状態。これはブログでご紹介決定!と息巻きました。

しかし・・・レビューを進めるにつれ、この本の致命的欠点が明らかになり、なぜ今まで眠らせていたのかという謎が解けていったのでありました。

まず内容は、素晴らしいのですよ。まちがいなく。

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この本は全7章構成になっており、各章は以下のとおりです。

  • 日本地理
  • 世界地理
  • 通史
  • 経済史
  • 外交史
  • 文化史
  • 戦後史

それぞれの章について、「基礎知識と英語表現」を解説するという本です。

表紙で「通訳ガイド・英検・国連英検・通訳検定対策としても効果的」と謳っているとおり、まさに通訳案内士試験にうってつけの内容です。

唯一、世界地理の章については通訳案内士試験に関係ないと思われますが、発音しづらい国名の解説があったり、各国の概要がまとめられていたりと、ガイドとして知っておいて損はない内容となっています。

1冊で1次全教科&2次までを網羅するめずらしい本

まず、1次邦文試験対策として日本地理・日本歴史はもちろんのこと、戦後史や経済史もカバーしているので、一般常識対策にもなります。

また、内容理解とともに英語表現を学ぶ本であるため、1次英語試験や2次口述試験対策メインとしても使える優れた本です。しかもうれしい音声CD付き

日本地理が2次口述試験にドンピシャな模様。

第1章もくじ
第1章:日本地理は、北海道から沖縄まで地方別に8つのパートに分かれており、地域の特徴をまとめた後に「通訳ガイドにチャレンジ!」と銘打って、会話形式のガイド例が載せられています。そして、ガイド例文は音声CDにも収録されています。やっぱり音声CDはポイント高いですね。

そして、このガイド例でまず驚くのが、2次口述試験のカバー率なのです。

例文は地方別にわずか全10例。しかし、ぱっと見ただけでここ2年の口述試験で出題された内容が散見されます。(以下、画像は全てクリックで拡大します。)

2014年度プレゼンテーマ、日本三景や・・・
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2013年度の通訳問題だった浅草界隈の説明
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同じく、浮世絵の説明ゴッホへの影響までしっかり。
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2014年度の通訳問題、合掌造りについて
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そして、2014年度プレゼンテーマ、日本最大の木造建築も。
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オーソドックスな出題だと言われればそのとおりですが、たった日本地理のガイド例10個の中でこれだけの出題実績があるのは、なかなか抑えどころが良いと言えるのではないでしょうか。

歴史についても、通史や文化史を学ぶ中で、用語をどのように英語で説明するか(“絵馬”から“大乗仏教”レベルまで)表や文中で同時に学べます。試験対策用としてだけでなく、実用的で内容が非常に濃い本です。

ここまで絶賛しておきながら、超オススメできないワケ

しかし、この本には致命的欠点があるんですよ・・・。それは、

文字組み(フォントの選択と段落構成)がひどすぎて、読む気が一気に失せるレベルってことなんです。

要するに、ただでさえ和文欧文が混在する状態だというのに、明朝系とゴシック系の文字、さらには太字細字までが同ページの中で入り乱れているのです。その様、まさにカオス!
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見てくださいよ・・・コレ。
「め、目が!目が〜っ!!(by ムスカ)」

フォントはざっくりの“系統”で実際のフォント名とは異なります。
フォントはざっくりの“系統”で実際のフォント名とは異なります。

ワタクシはデザイン畑の人間ではないですが、ちょいと学んだことのあるデザインの本によりますと、和欧混植のルールは“ウェイトや筆法が同じものを選ぶ”のが基本とあります。

というか、文字組みのルールやデザインの知識がなくとも、これを見たときに多くの人は「うわ!読みにくっ」となるのではと思うのですが、どうなんでしょう。

しかし、著者の前書きには衝撃の一文が!

特に重要なものは太字にしてメリハリをつけました。

どうやら確信犯・・・いやもとい、よかれと思ってのことらしいです。せ、先生、メリハリて・・・。

とはいえ、全部がカオス状態というわけではなく、普通に読めるページもあります(半分くらいでしょうか)。

この見づらさを差し引いても優れた本だと思うので、めげずにワタクシはこの本をぜひ使用したいと思っています。が、正直このフォント攻撃に耐えられるか自信はありません。

いや、冗談じゃなくて本当に中身が入ってこないんですよ。読めるページだけ使うか、もしくは自分で書き直すか。うーん。

手持ちの本は2010年発行の第9版なので、もし最新版でこのフォント問題が改善されているようなら買い直したいくらいです。
もし購入をお考えの場合は、その点ご検討のうえご購入されることをオススメいたします。ハイ。

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